home

日付:2012年3月12日
場所:    アルルの町 (Arles)   

訪問地: Arles

   

 まずは、ホテル近くの墓地

 昨日の疲れが抜けていない。結構、足は人並みに鍛えてあると思っている。 だが、昨日のミストラスを向かい風に6時間の格闘は、例外だった。

 足の太ももに違和感があり、腰もなぜか痛い。したがって、今日の遠出は控えることにした。

 まずは、ホテル近くのアリスカン(Alyscamps)だ。要は、昔の墓地だ。

 開門は9時からと言う。20分程、外で待つ。開聞とともに中に入る。 受付のお姉さんが、「今日の一番客だね」とちょっとした雑談だ。

 

  あのゴッホも描いた墓地並木  

     19世紀の後半にゴッホがアルルを訪れ、多くの絵を描いている。 この墓地も描かれている。

 ポプラ並木に沿って、石造りの棺桶が、ずっと並んでいる。その数は、優に200 を超えるのではないか。
 終点の礼拝所の前にはたくさんの棺桶が並ぶ、見事なものである。

 礼拝所の中には、何もない。ただ、数個の棺桶がここにも並ぶ。ただ、ステンドグラスを 通して朝日が礼拝所の中に入り込んでいるが、これが神秘的で良い。どこか「グー、グー」という音がする。 何かと思ったら鳩が天井あたりに巣を作っていた。

 こうして棺桶が並んだ並木道を歩くと、なぜか死の恐怖が薄れる気配だ。この棺桶の 一つ一つに人生を終えた亡骸が入っていたかと思うと、どこか不思議な感覚が芽生える。  

   

       ゴッホの題材の運が橋

 次は、ゴッホが描いた橋だ。アルルの中心からは自転車で15分位で着いた。 運河沿いの道を自転車で走る。タイヤに白い石灰の粉が付く。これが取れない。

 運河橋の辺りは、観光バスが停まり人でいっぱいかと思ったが、朝、早いせいか誰もいない。 ゆっくりと見物である。

 運河橋の仕組みをじっくりと観る。ゴッホの絵では、馬車が、ちょうど橋の上を通っている。 なるほどと思う。

 ただ、観光ガイドブックによれば、この運河橋は、絵が描かれた場所から移設されているとのことだ。 これは少し残念である。      


       ローマ時代の劇場

 自転車を観光案内所の前にある自転車駐輪所に停める。しばらく手ぶらで旧市街 の中を散歩することにした。まずは5?払ってローマ時代の劇場だ。かなり修復がなされており、 今でも、使っているらしい。

青い空をバックに、夕闇の中、ライトアップしたらどんな感じになるのだろうか。

 

      円形競技場

 ローマ帝国のかっての実力には、びっくりだ。帝国各地に、この種の競技場を 作って、スポーツなどを楽しんだという。当然、人が集まれば、水が必要になり、 その水は、遠くの山々から水道橋を使って、街まで引いたという。この円形競技場 今でも、闘牛用に使っているようで、2万人が収容できるという。恐れいった。

 面白いことに展示されていたパネルの説明によると、17世紀頃のこの円形競技場は、 住居として使われていたという。外の楕円の輪のみならず、真ん中の競技場の部分にも 所狭しと家が建っていたという。まあ、よくぞここまで復元したものだと思う。        


       地域古典博物館

 この地域古典博物館は、旧市街から少し離れたところにある。

   展示は、そのほとんどがローマ時代をテーマにしたものである。中には、小学生から 中学生、そして大人のグループが説明者の話にしっかり耳を傾けている。

 ローマ時代のアルルの町の状況を時代ごとにパネルで説明しており、絵やミニチュア模型を 多用し、これは良いアイデアだ。面白い。  

 また、ローマ時代の健康や医学、日常生活にも焦点を当てており、時間の過ぎるのを忘れる感じだ。  ここの博物館はおすすめだ。      


       けだるい午後の日差し

   古典博物館を後にして、ゆっくりと、ローヌ川沿いを歩く。南仏独特の太陽光線 が降りそそぐ。

 2000年前のローマ時代から21世紀の現代にタイムスリップした感じだ。

 このまま、昼寝をしたいところだが、午後5時の列車でパリに帰る。

 なぜか、また来たい街だ、この街は。