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日付:2012年3月11日
場所:    カマルグ地域自然公園 (Parc naturel régional de Camargue)   

訪問地: Arles, Etang de Vaccarès, Etang de Malagroy, Sainte-Maries-de-la-mer, D38, D570, Arles



 湿原を求めて、アルルの街から南下

 アルルで泊まったホテルは酷いホテルだった。 なんと言ってもお湯がでない。これには参った。部屋も殺虫剤の匂いか変な臭いがただよう。 おまけに、テレビのコントローラの電池がない。安ホテルとはいえ、これには降参だ。

アルルの町の南には、広い湿原が広がっている。カマルグ自然公園だ。 むかしどこかのコマーシャルを観て、一度、訪ねてみたかったところである。そこに来た。
日が昇るにつれ、ミストラスが吹き始める。午前中は追い風で、極端な話、風が 背中にあたり、その風の勢いで、自転車が動くのである。この楽チンさは、申し分ない。

 ところどころにポツリと農家が現れる。馬、ウシの放牧地である。

 

  なんと野生のフラミンゴの集団を発見  

     先日、フランスのテレビで南仏の寒さを報道していた。その中で、カマルグ自然公園 のフランミンゴが寒くて食べる物がなくて、体力が弱っていると言っていた。

 ここは、野生フラミンゴの繁殖地で有名で、多くの観光客がこの鳥を観にやってくる。
実は、私もその一人だ。

 どうだろう100羽以上のフラミンゴがいるだろうか。ピンク色をしたきれいな鳥が、一本足で 立っている。地中にいる虫でも探しているのだろうか、頻繁に地面をつついている。  

   

       延々と続くダート道

 当然のごとく、湿原を開けて作られた道のためか、ほとんど凹凸はない。 どこまでもどこまでも、白亜のダート道が続く。時折、自動車とすれ違うが、 サイクリストとはほとんど出くわさない。この季節、ミストラルの強風が吹くので、 この風の中を走るには根性がいる。それに、葦の芽が少し出てきているとは言え、 まだまだ景色は冬のもので、非常に殺風景である。どことなく単調過ぎる感じだ。        







       避寒客でゴッタがえすサンメリーの町

 お昼に頃にサンメリー(Sainte-Maries-de-la-mer)の町に着いた。 どこから湧いてきているのか、街は観光客でごった返す。

 一軒のカフェに入り、まずは生ビールとボリュームあるハンバーグで昼食である。
 結構、お腹がすいている。普段なら食べられないような超特大のハンバーガーをかじる。 なかには、肉と卵焼きとポテト、それにチリソース味で味付けがしてある。  食事の後、自転車を引いて街を散歩する。日当たりの良いテラスで食事を採る人たちで溢れている。 天気予報では、昼間の気温は20度を超すという。暑い程である。      


       やはりミストラスの風地獄が待っていた。

 午後1時、サンメリー(Sainte-Maries-de-la-mer)の町を後にする。アルルまで、40km超である。 これは苦しい。フランスでは風速は時速表示だ。時速60kmでミストラルが吹くという。

 時速60kmと言えば、秒速20メートルである。それを向かい風に、必死に自転車の ペダルを踏む。一番のローギアで、コツコツと進む。風が体の水分を奪っていくのか、 口のあたりが乾く。20km走った後は、今度は進行方向が東にぶれたので、横風である。

 この横風が曲者で、例えば、キャラバン車に追い越されると風の流れが変わるのか、ハンドルをめちゃくちゃ に取られる。自転車専用道があれば、少しくらいハンドルを取られても問題はないが、 専用道がないと、これは非常に危険である。実際のところ、ところどころ歩く羽目になった。

 午後7時、クタクタになって、ホテルについた。40km、6時間の格闘戦だった。 もう食事を採る元気もない。ほんとうに疲れた。