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日付:2012年3月10日
場所:    モンマジュールの旧修道院 (Abbay de Saint Pierre de Montmajour)   

訪問地: Arles, Abbay de Saint Pierre de Montmajour, Fontvieille, Moulin de Daudet, Vestiges Romains de Caparon, Paradou, Pont de Crau, Arles


 火事の現場を目撃

 パリから南に800km、南仏アルルの町までやってきました。 南仏独特の青い空、強い風、同じ国内なのに、どうしてこうまでも天気が違うのかと不思議。 そういえば、テレビで干ばつの報道をしていた。ここ、アルルの町は、今まさに雨不足で困っているとのことである。

 駅まででサンドイッチを確保して、一路、東北のフォントヴィエイユ(Fontvieille)に向って 走りだす。

 走り出した途端、アルルの町はずれで、火事の現場に出くわす。どうも屋上から出火しているらしい。 通りすがりの人々が心配そうに見つめる。まだ消防車は来ていない。強い風に煽られて、かなり延焼しそうな雰囲気だ。

 

  風切り音が、轟音のように空から降ってくる  

     時は冬の終わだ。一年で一番、ミストラルが強い時期だ。乾燥した北風で、猛烈に吹き荒れる。

 道路を走ると横風をもろに受ける。そのたびに自転車が風に煽られる。これは危ないと危険を察知して、 たんぼ道の田舎道に入る。

 竹の幹がぶつかり合う音がする。これが、ある意味、風流でよい。 大木の枝を通り過ぎていく風が起こす音、これがすごい。ゴーと、ちょうど地下鉄の 駅の中を電車が走っているときに聞こえるあの音である。その音が空から降ってくる。  

   

       岩場をくり貫いた棺桶

 モンマジョール(MontMajour)の旧修道院は、朽ち果てる寸前である。 その塔と礼拝堂は、修復してあるらしくしっかりしている。ところが 修道院の宿舎跡は、建物が半分崩れ哀れな姿をさらしている。これはこれで、 遠くからみると、なんだいったいあれはと思う代物である。

 11世紀からあるというこの修道院の目玉は、石灰岩をくり貫いた棺桶である。 パネルの説明によれば、骨のかけらも何も残っていないとのことであるが、唯一、 棺桶に使われた穴がなまなましく残っている。
 これって、生前に自分で掘るのだろうか。

 らせん階段を登ると塔の頂上に到着する。そこから素晴らしい見晴だ。
 植物がわずかにくっ付いた岩山、碁盤上に植えられたオリーブの木、遠くアルルの街も見える。        


       ローマ時代の水道橋

 後で知ったことだが、アルルの街に住む人たちを支えるために、北の山々からアルルの街まで、 水路を作って水を引っ張ってきていたという。
 いわゆるローマ時代の水道橋だ。

 その水道橋跡が、フォンヴィエイユ(Fontvieille)の街の南3kmにあるという。行ってみることにする。  

 最初どこにあるのか分からなかった。よくよく探してみると、自動車が停まっているところがあった。 近くに、朽ち果てた石積みの小型水道橋跡らしきものが見えた。観光客が、見終えて帰ってくる方向に向かって、 歩いてみる。すると、岩場を削ったところで、視界がパッと晴れた。

 ここに、かって2000年前に、大型の水道橋があったという。今は、何も残っていない。 頭の中で想像するだけであるが、さぞかし、すごい景色だっただろう。