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日付:2012年2月26日
場所:    シャルトルの大聖堂 シャルトル (Chartres)  

訪問地: Chartres, Cathédrale Notre-Dame de Chartres, Saint Aignan, Musée des Beaux-arts


 25年振りのシャルトルの大聖堂

 昔々の大昔、パリに住んでいた頃にこの大聖堂のステンドグラスを観に来たことがある。

 自分の記憶がどの程度、正確か。そして新たに何か発見するか。いろいろと考えることが多くてここまでやってきた。

 結果は、残念ながら、本当に残念ながらシャルトルの大聖堂を訪れた記憶は忘却の彼方に消え失せていた。

 不思議なもので、大聖堂の内部への入口の記憶はあるが、どこの入口かわからない。 大聖堂近くにステンドグラスのお店があったようだが、今あるステンドグラスのお店かどうかわからない。

 人間の記憶などいい加減なものだ。いろいろな場面の記憶がごっちゃになって、 かってに頭の中にイメージを作っている。


 

  この雰囲気、いいなあ。  

     大聖堂を離れると、途端に人の姿を見かけなくなる。ここはサンエグナン教会の横の 小道だ。この風景、なんとも言えない雰囲気を醸し出している。

 もしかしたら、100年前や200年前と同じ景色を眺めているのかもしれない。  

   

       教会の中で考えた

 50年前のことを思い出してみよう。うっすらと思い出せる。それでは50年後は、 今の自分は、どうなっているだろう。もちろん生きていない。

 50年どころか、何とか生き延びたとしても20年か30年がやっとだろう。
 老いぼれて、年々、ガタが進む体に失望しつつ、何の楽しみもなく時を過ごす。そして 時がきたらアウトだ。

 誰もいないサンエグナン教会の中で考えた。        


       シャルトルの美術館

 大聖堂の隣に美術館がある。日曜日は午後のみの開館だ。
入場料は3.5?だ。とても安い。
 この美術館には、ガードマンがほとんどいない。性善説にたった運営だ。 おまけにリュックサックをクロークにあずけなくてもよいからとても楽だ。

 広い部屋があり、壁には所狭しと肖像画が掲げられている。すべて油絵だ。
教会で地位の高かった人々だろうか。どの顔も威厳を放っている。
 額縁の横に肖像画の人物紹介がなされており、ほとんどが19世紀に 生きた人たちだ。もう100年以上前に、この世を去った人々だ。

 その人たちに見つめられて部屋の中を歩く。不思議な感覚だ。 100年の時空が交差する静かな部屋で、私は2012年を生きている。