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日付:2012年1月14日
場所:    ブーベーの白鳥の湖           オアーズ県(Oise)  60

訪問地: Paris, Beauvais, l'eau du Canada, Troissereux, Montmille, Fouquenies, Musée departemental


 氷点下2度の下でのサイクリング

   実は、今回のサイクリングは行くか行かないか迷った。 理由は体調がよくないことだった。お腹の調子が悪い、しかも食欲も今一つである。 木曜日の午後から、突然、こんな感じになった。

 電車の切符も、ホテルもすでに予約してある。行かなければ、少なくともホテル代は返ってこない。

 午前5時半にアパートを出発する。外は真っ暗である。おまけに風はないが、とても冷える。
 電車がブーベー(Beauvais)の町に近づくと空が白み始めた。ただし、窓から見える外の景色は深い霧の中だ。

 ブーベー(Beauvais)の駅前に電光の掲示板があり、外気温は氷点下2度という。
 とてもサイクリングを楽しむという天気ではない。
 

 大聖堂で待機  

     寒い。寒さを強く感じる。 まずは、町の中心広場に面したカフェで熱いコーヒーを一杯飲む。暖かい部屋で走り前の準備だ。

 コヒーを飲み終えてカフェを出る。まだまだ寒い。
 ブーベー(Beauvais)の町一番の観光名所である大聖堂の中で時間をつぶすことにする。 大聖堂を見終えて外に出る。午前10時。太陽も顔を出し、やっと走られる状況になった。
 町の西にあるカナダ水際公園に向かう。なんと、霜で真っ白である。霧が下草に付着し、幻想的な 雰囲気を醸し出している。    

   

       霧で走れない

 太陽が昇り始めたのだろうか、少し霧が薄くなった。湖沿いを走る。
 ジョギングする人、サイクリングする人に挨拶言葉を投げるが誰も返答してくれない。
 よくよく考えたらブーベーの町はパリ郊外にある。この寒さの中でもカナダ水際公園には多数の人がいる。  これだけの人の数では、会う人ごとに挨拶していては、追いつかないのであろう。

 トロアセルー(Troissereux)の町で昼食を購入し、北の田園地帯に向かう。
 ところが、急に霧が濃くなり、ほとんど視界がない状態になった。
 田園地帯の走りは断念する。ライトを持ってないない状態で、この深い霧の中を 走るのは危険だ。 すぐに畑の中で、立ったまま、買ってきたパンをかじる。
 冬の寒さの中、腰を降ろしてゆっくり食事できないのが残念だ。      


 50年生きて、思ったこと。

     再び公園に戻る。そこで恐ろしいくらい美しい景色に出会った。  霧の一粒一粒の水滴が太陽光線に輝き、遠方の木々を照らし出している。
 それは、ほんの数分のことだ。走っている自転車から降り、写真を撮る。 逆光で、実際の景色の100分の1も表現できない。  言葉にできない美しさとはこんなことを言うのかと実感する。

 50年生きて、もう、先が見えた人生だ。いつお迎えが来ても、 「もう十分、生きたでしょ。」と言われれば、その通りである。  20歳、30歳で逝ってしまう人々のことを思えば、今以上の長生きを求めるのは 「欲張り」なのかもしれない。最近、なにもかもが美しく見えるようになってきた。 ここ数年、その傾向が顕著だ。そろそろなのかもしれない。    


 オアーズ県の県立博物館

   ブーベー(Beauvais)に帰ってくる。まだ太陽は高い。

 オアーズ県の県立博物館は、大聖堂の隣にある。 入口の双塔が特徴的で、由緒ある建物であることが伺える.  たまたま、博物館内が工事中ということで、展示物が限られることから 無料で入場できた。建物の中庭に立って、大聖堂方向眺める。
良い建物だ。