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日付:2011年12月23日
場所:  フェリーにて、マルセイユからバスチャへ移動  

訪問地: Paris, Marseille, Marseille-Bastia ferry


帰省客でごった返すパリのリヨン駅

 パリ発マルセイユ行きのTGVは、12時37分に出発する。準備よろしく1時間以上も前にパリのリヨン駅に着いた。
 駅の中は、すごい人ごみである。テレビニュースで、クリスマス休暇の帰省ラッシュは聞いてはいたが、なるほど納得である。
 この人ごみの中を巨大な輪行袋を担いで行くのも気が億劫だ。
 目指すは、地中海のコルシカ島である。なんと、これで4度目の訪問になる。
 パリから電車でマルセイユまで3時間半。そこで、夜行フェリーに乗り換えて朝7時にコルシカ島第一の街であるバスチャに到着する。
 そこからコルシカ鉄道に乗って1時間半で、目的地のコルテ(Corte)に着く。
 長い長い旅の始まりだ。  
   

 マルセイユ駅に到着、もう、夕方  

   TGVがリヨン駅を過ぎると空の雲がなくなった。南仏に入った印か。
 午後4時、マルセイユのサンシャール(Saint Charles)駅に着いた。
 着いた途端に驚いた。駅の正面玄関が爆弾騒ぎで閉鎖されていた。ものものしい数の警官が、なにやら調べていた。すぐに、閉鎖は解かれたが、 なんとも怖い街だ。
 そういえば、機関銃で若者が殺し合いをしているとのニュースが、マルセイユ発で流れていた。
かっては、フランス第2の都市で、地中海貿易の 中心漁港だった栄華は、今はない。

 フェリーの出発は午後7時だ。十分に時間はある。駅前で自転車を組み立てる。なんら問題はない。ゆっくり歩いてフェリー埠頭に向かう。
   

      すったもんだの末、フェリー乗車待ちの駐車場へ

 マルセイユのフェリー埠頭は、工事中で位置関係がわかりにくい。最初、乗客乗り場に行く。小さな受付があり、そこで係員が2名、お客さん対応をしていた。
 入り口に立っていたガードマンに、自転車はどこに行けばよいか教えて欲しいと聞いてみた。返ってきた答えは、「受付の係員に聞け」だった。
 それは当たり前の話だ。
 行列に並んで、順番を待つ。私の番になる。「自転車でバスチャまで行く。予約番号はこれこれだ。」と言う。「身分証明書を見せろ」と言われる。
 「自転車は、車の乗船と同じになる。ここのビルを出て、左にしばらく走るとシャントラースと書かれた看板があるので、そこから乗れ」と、親切に、地図まで画いて 教えてくれた。親切は親切で良いけど、どこかに張り紙でもしておいてくれれば、一発で分かるのであるが、、、。

1kmほど走る。シャントラースと書かれた看板は、簡単に見つかった。
 ところが、そこの乗船乗り場入り口で、係員の呼び止められた。若い男は、「自転車は、歩行者と同じ、むこうに行け」と、今まで来た道を指差す。
「と言われても、向こうでシャントラースの看板の方に行けといわれたから、ここに来た。私は正しい。」と言い返した。若い男は、近くの同僚に聞いて、自分の理解が 間違っていることを認め、すんなり、私を通してくれた。結構、素直だ。

 乗船乗り場待合駐車所で、出発を待つ。夕暮れの中に、今から乗るフェリーが見える。良い天気だ。  


 この季節、フェリーに自転車は1台

   クリスマスで島に帰る人たちが多いのだろうか。車の数は多い。ただし、2輪は、自転車が1台とオートバイが1台だけだった。
 季節外れのサイクリング客である。運が悪く降雪でもあれば、まったく走れないことだってある。
 シーズン外れの観光地は静かで良い。人もガツガツしていない。そして親切だ。

 自転車をフェリーの側壁に縛り付ける。セルフである。フェリーの係員は、自転車など、まったく相手にしていない。  


 ひとり寂しく酒盛り

   フェリー料金をケチった。一番低料金の座席だけのクラスだ。席は、ほとんどガラガラだ。
 乗船すると、すぐにバーに行く。そこでビールを飲む。それでは足りない。隣の売店でコルシカのワインを買う。座席に持ち帰って、 しんみりと一人酒盛だ。客席のテレビは壊れていて映らない。
 他のお客さんの会話に耳を傾ける。アラビア語らしい言葉が聞こえる。何を言っているのかわからない。 なんと、床に着ているオーバーをひいて、アラーの神にお祈りする人までいる。ここは、どこの国だ。

 すぐにワイン瓶は空になった。まだまだ夜は長い。