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日付:2011年11月28日
場所: セント・ヴィクトアール山(Sainte-Victoire 標高946m) (13:Bouches-dy-Rhône)
訪問地: Aix-en-Provence, Meyreuil, Mimet, Col Sainte-Anne, Pilon du Roi, Shimone-Collongue, Cabries, Gare d’Aix-en-Provence


  南側からのサンビクトール山  

   エキサンプロバンスの南側に、ちょっとした丘がある。住宅地として開発され、 山肌の所々に住宅が並ぶ、普通の丘だ。  ホテルを午前8過ぎにチェックアウトした。ホテルから南方に行くには、この 丘を越して行かなければならない。
 標高差にして100m〜200m程度と思い楽観していた。ところがどっこい、10%程度の 登り坂が、これでもかと続く。これが朝一番の苦行だった。

 この丘を越えた途端に、昨日、登頂したサント・ビクトール山が視界に綺麗に入ってきた。 富士山のごとく、見事な山だ。  


 石炭鉱山と発電所    

 地図上に名勝地記号が記され、その隣に「puits」と書かれていた。これは、なにか面白いものがある と思い立ち寄った。
 「puits」というフランス語は、いろいろな意味を持つ。一般的には「井戸」という 意味だが、なるほど、鉱山の立坑道も、同じ「puits」を使う。その意味は知っていたが、まさか、 閉山した鉱山跡がそこに記されているとは思わなかった。
   そこには2003年に閉山したガルダンヌ(Gardanne)石炭鉱山跡があった。

 よくよく考えたらいろいろと判ってきた。サント・ビクトアール山の頂上から、 周囲の景色に不釣り合いな発電所特有の冷却塔が、なぜ、ここにあるのかも理解できた。
 ほんの10年程前までは、このあたりは石炭で栄えた町が連なっていたのだった。
 なるほど、納得である。

 どこからも見えるサント・ビクトアール山  

 エクサンプロバンスの街からガルダンヌの街を越え、ミメ(Mimet)の村までやってきた。 緩やかな登り坂が続く、走り辛い道だった。
 そのおかげか、高台からは、いろいろなものが見える。20km近く離れても、サント・ビクトアール山は しっかり見える。
 絵になる風景だ  




 絶景の中の走りで感動

 サンタンヌ峠(標高591m)は簡単に到着した。何といっても、ミメ(Mimet)の村が標高300m程ある から、標高差はそんなにない。
 サンタンヌ峠からの眺めはすごい。登りきると、急に視界が開け、遠く地中海、マルセイユの街が 見えるようになる。これは感動である。まわりは、石灰岩が作る独特の景色で、どことなく 幻想的な印象を受ける。

 このような景色の中を、サイクリングできる幸せをひしひしと感じた。気が貧乏性だ。自転車 に乗って、すぐに通り過ぎてしまうのが、もったいない。自転車を降りて、ゆっくり歩いた。
   

 2泊3日の走りを終えて  

 冬の夕暮れは早い。午後5時を過ぎると、もう夕方だ。昼間、サイクリングを楽しみ過ぎて、 今回も、日暮れと競争して駅まで戻ってきた。  TGVは午後8時14分にエキサンプロバンスに着く。今は、ちょうど午後6時過ぎだ。
 2時間の余裕だ。ただ、待つのがまったく気にならない。
 3日間の満足な走りと心地よい疲れ、そして1杯のビールがたまらない。駅構内にあるベンチに座り、 駅に入ってきては、電車に乗ってどこかに行く人々の流れを見続けた。

 サラリーマンのみなさん、ありがとうございます。あなたたちが、しっかり働いてくれるから 私は、こうして、サイクリングを楽しめるのです。  


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