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日付:2011年11月13日
場所: バグノールの保養地(Bagnoles des Andaines) オルヌ県 61

訪問地:  Saint-Pierre-Nides, Pré-en-Pail, Couptrain, La Pallu, Neuilly-Verdin, Gagnoles de Andaines, Alençon


 昨日より朝もやは濃い

   冬の靄は、フランスの田舎はあたりまえのようだ。毎日、午前10頃までは、 こんな感じだ。  第3日目、どこを走るか迷った。
 実は、一昨日地図をなくした。ホテル周辺からアランソンの街までの広域の地図 を失くしてしまった。サイクリング時は、荷物を最小限にしているので、これは意外だった。  したがって、予備に持ってきた西隣りの地図が幸いにも役だった。
 ホテルから昨日の最西の場所のクープトラン(Couptrain)の街まで、22kmを休まず走ることにした アップダウンの多い、結構、シンドイコースである。1時間半で走り切った。
 この年齢で、これならまあまあ上出来だ。

 




 どうして私が日本人とわかるのだろう。

 クープラン(Couptrain)からラ・パルー(La Pallu)までの道のりは最高だ。
 おまけに雲一つなく空は晴れ渡った。厚くもなく、寒くもなく、これは見事なサイクリング日和だ。

 ここらあたり、放牧が産業の中心なようで、いたるところに牛がいる。
 丸々太った肉牛で、私と目が合うと、私の方向に歩み寄ってくる。
 しばしの見つめあいだ。「肉」として食卓に並ぶ日も近い。それを知らない無邪気な目が嘆かわしい。

 どこかで、狩りでもしているのだろうか。時々、銃声が響き渡る。遠くから、教会の 鐘の音も聞こえる。日曜日だ。ミサでもやるのだろうか、
 祈りを捧げる者もいれば、かたや殺生に励む者もいる。これが世の中だ。

 小学生くらいの女の子とそのお父さんが、自転車に乗って前方からやってきた。  すれ違いさまに、二人に大きな声で、挨拶をする。お父さんは挨拶を返してきたが、 その女の子は無言だ。すれ違った後、その二人の話声が聞こえた。 「日本人だよ。挨拶しないと」と父親は子供に言っていた。どうして私が日本人とわかるのだろう。  私が典型的な日本人に見えるのか、あるいはアジア系の人は皆、日本人と呼ばれるのか。 結構、不思議だ。
   

 この紅葉真っ盛りの田舎道には感動だ  

     紅葉の盛りの時期が、場所によって、ずいぶん違うことに驚かされる。
 もう葉を落としてしまったところもあれば、今、まさに「旬」なところもある。
 午後の昼下がり、こういう田舎道に出くわすと、来てよかったとほんとうに思う。 だからサイクリングが止められないのである。
   

    ちょっと残念

 バグノール(Bagnoles)の街は、期待外れだった。  この街は、保養地で街の至る所にホテルが並ぶ。ただ、それだけの街だった。
 ちょうど、カンヌやニースと同じで、なぜか親しみがわかない。そこに住む人たち の生活の匂いがしないところが、おもしろくない。
 そうそうにこの街とはオサラバだ。

  時間との勝負だ、日暮れは近い

     ゆっくりサイクリングを楽しみ過ぎた。 バグノール(Bagnoles)の街を出たは午後2時半だった。
 ここで、少し考えた。今の季節、午後5時半には暗くなってします。時刻を逆算する。 これは危険だということを悟った。焦った。ライトは持参していないから夜は走れない。 45kmの道のりを3時間で走ることになる。それにアップダウンの多い道だ。自転車も ロードバイクのような軽快な走りは期待できない。年齢を考えての脚力は昔とは違う。 足が悲鳴を上げ、明日はどうなってもよいから、とにかく明るいうちに距離を稼がなければ ならない。

 Couptrainに午後3時半、Pré-en-Pailに午後4時10分に着いた。 残り時間は1時間半くらいで、距離は24Kmである。
 ここで迷う。国道を走るか地方道を走るかで大いに迷う。
 国道12号は起伏は少ないが、車がたくさん通る。地方道は、逆だ。なんと言っても、標高300メートルの 峠越えはつらい。国道を選ぶ。
 午後5時を過ぎる。あと10kmだ。 太陽はぐっと傾く。日差しが弱くなる。あたりが暗くなり始める。 あと5kmで、もう走るのをやめた。戦いは終わった。残りを歩いても1時間で着く。電車は午後8時だから、十分時間はある。
 なんとか助かった。普段の鍛錬のせいか、両足が45km、3時間の走りに耐えてくれた。    
     


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