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日付:2011年11月11日
場所: エクーブの森(Forât domaiale d'Ecouves) オルヌ県 61

訪問地: La Roche-Mablie, Forât domaiale d'Ecouves, Saint Denis sur Sarthon, Saint-Pierre-Nide


 第一次世界大戦の休戦記念日

   祭日である。 約100年前に起きた第一次大戦の終わりを記念した日で、 街から小さな村に至る所で祝典を行っている。  まず、アルンソン(Alençon)の街では、忠魂碑の前で、 軍隊の前で市長らしき人が演説している姿を見かけた。
 次にアルンソン(Alençon)から10kmほど西の小さな村でも 村人が市庁舎前に集まって、忠魂碑の前で花束を捧げる儀式を行っていた。

 フランスの村々を自転車で旅すると必ず市庁舎近くに忠魂碑が立っている。
 そこには、第一、第二次大戦など、村出身者で戦士した人々の名前が石碑に刻まれている。
 まず驚くことは、第二次大戦と比べて、第一次大戦時の戦死者の多さである。村によっては 第二次大戦と比べて、5倍から10倍以上の数の戦死者が出ている。
 まさに、20世紀に入り大量殺戮兵器の発明が引き起こした惨事だろう。
 第二次世界大戦時は、フランスはすぐにドイツに降伏した。結果論だが、ドゴールの 判断が良かったのだろう。そのため、第二次世界大戦の戦死者数は、かなり少なくなっている。
 フランスは戦勝国だ。戦死者に対してとても気を使う。 村々に建つ忠魂碑の前に飾られる花束を見てつくづくそれを思う。
   

 タイヤのアタッチメントで指をはさむ、痛い  

     自転車は、マウンテンバイクだ。本来、輪行をあまり想定していないのだろう。 輪行し、タイヤの着脱を何回もやるのが悪いのだろうか、前輪のディスクブレーキのブレーキシューと ディスク盤が擦れる。変な音をたてる。
 タイヤが回るたびに、シュッシュという甲高い音がする。ためしに、タイヤを空回ししてみると、 どうもブレーキが軽く擦れているのがわかる。
 これは精神的に良くない。特に登り坂では、この擦音はストレスである。

 原因はブレーキの遊びが少ないのだろう。本格的に調べようと、外したタイヤを強引に 装着しようと力を込めた。結果、右手人差し指の皮を挟んだ。血が湧いて出てくる。 とともに、すごい痛みが始まる。出血しないように、挟まった場所を強く抑える。猛烈な痛みは10分程 続いた。しばらくすると出血は止まった。
 この「どんくささ」は、自分でも呆れた。
   

    秋深し、キノコ採りに忙しい人々

 エクーブ(Forât domaiale d'Ecouves)の森に入る。  人っ子ひとり見当たらない。国定公園の森を独り占めである。  フランスでは、自転車は右側通行だ。しかし、この道では、ど真ん中を堂々と走る。  枯葉が、風で舞い降りてくる。紅葉の吹雪だ。

 ところどころに車が停まっているのを見かける。キノコ採りの人たちだ。  キノコ採りのスタイルは、ワンパターンだ。必ず、籠を持つ。どうも籠がいっぱいになったら、 おしまいのようだ。暗黙のルールでもあるのだろうか、「家庭で食べる量だけ」が基本で、 それ以上は採らないようだ。結構、みかけた感じ、このルールは守られているようだ。

   ホテルは夕方6時まで入れません

     フランスで田舎をサイクリングしていて困るのは、 日曜の午後は、レストランを含め店と言う店が閉まってしまう。
 祭日もおなじだ。このことをすっかり忘れていた。  午後3時。サンデニ・スール・サルトンの村で、今夜の食料を買おうとするが、 村に一軒ある食料品店は祭日で休みである。困った。今夜の食事は欠食を覚悟する。
宿泊を予定しているサンピエールニッド(Saint-Pierre-Nide)の街を目指して走る。 秋の日暮れは早い。天気が今一つのせいか、午後4時を過ぎると夕暮れ近くなり、 寂しさが漂う。

 交差点を曲がる際に、追い越していったトラックの荷台からリンゴがこぼれて 地面に落ちた。今夜、なにも食べられないかもしれないので、そのリンゴを拾って、 リュックに詰め込む。みじめだ。
 サンピエールニッド(Saint-Pierre-Nide)の村に着いた。ホテルに入ろうとするが、 「午後6時半までホテルは閉めます」との張り紙が、入口に張ってある。フランスでは、当たり前のことだ。怒らない怒らない。
 今は午後5時。1時間半の時間つぶしだ。
 小さな村だが、パン屋が1軒だけ開いていた。今晩の食事としてフランスパン1本とコカコーラを 買う。午後6時。あたりは真っ暗だ。人通りの少ない街灯が、どことなく寂しい。 ベンチに座って、午後6時半を待つ。

 午後6時過ぎ、ちょっと早いがホテルの扉を開けてみる。先ほどが鍵がかかっていたが、 今は掛かっておらず、中に入れた。
 ホテルのマダムは40才過ぎのオバサンで、とても親切だった。やっと、部屋に入ることが できた。
     


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