home

日付:2011年11月5日
場所: メネ・ホン山(Ménez Hom) フィニステール県 29

訪問地: Brest,Châteaulin, Dinéault,Ménez Hom, Canal de Nantes, Châteaulin,Brest


 アルモリック国定公園に入る

 ブレストから電車で1時間でシャトラン(Châteaulin)の街に着く。フランスの最西端に ある自然国定公園である。
 適度な起伏が幸いして開発から逃れた自然が多く残る地域である。
 高台に登ると、ぐっと見晴が良くなる。遠くブルターニュの半島が見える。この地域、 風が定常的に吹くせいか、国定公園を取り囲むように風力発電のプロペラが視界に入る。
 さすがに、公園内は建設禁止なようで、目障りな人工物は見えない。
 早朝、今日は、天気に恵まれそうである。
   

  幻想的な教会  

     典型的なブルターニュの村であるデネオ(Dinéault)を抜けて南下する。
 目指すは、標高330メートルのメネホン山(Ménez Hom)だ。近づくにつれ、ゆるやかな登り坂 が続く。  途中、道端のリンゴの木の下で、落ちたリンゴを拾う農家の人をみかける。この人たちは、 木になっているリンゴの実には目もくれず、一所懸命、木の下に落ちているリンゴを拾っていた。 ジュースにでもするのだろうか、大きな袋が5つあり、いずれも一杯になっていた。

 林道を登り切ると県道に出る。そこにメノホンの聖マリー教会(Sainte-Marie du Ménez Hom) が建っていた。

 見るからに趣のある教会である。ブルターニュ独特の様式である。ときどき、雲間から日が射す。 その光にうきあがる教会を前にして、まさに無言である。日が陰ってしまうと次の晴れ間を待つ。そして 教会が浮き上がる。そして陰る。その繰り返しである。この場を立ち去りたくない気持ちに、何度も襲われる。
 

    標高330m、風強く寒い

 このメネホン山(Ménez Hom)の周りは禿山である。
 吹きさらしで、風が強い。
 頂上に到着した時、頂上にはハンググライダーを楽しむ人、模型グライダーを飛ばす人が遊んでいた。
 しばらくすると風が強くなり、そのせいか、その人たちの姿を見かけなくなった。
 到着前は、頂上でゆっくり昼飯でもと考えていた。ところが、風が強くそれどころではないのがわかった。  唯一、風が穏やかになるのは、頂上に建てられている石碑の後ろだけだった。
 その石碑が作る無風地帯を陣取って、クラッカーの袋とニシンの缶詰を開けた。
 登頂前のイメージとは違い、ずいぶんヒモジイ昼食である。

   石ころゴロゴロの山道下り

     下山は、登山道を下ることにした。豪快なダウンヒルである。
 ただし、歳がらもう若くないので、実は、少々、怖いのである。
 ヘルメットをかぶっていないし、それなりの装備もしていない。恐る恐る下る。 何度も自転車から降りる。それの繰り返しで、何とか、登山道を下り切る。
 ただし、下ばかり見ていたので、景色を楽しむことはできなかった。それはそれでしょうがない。
 

   遠くナント市まで続くという運河

     登山を終えてシャトラン(Châteaulin)の街に帰ってきた。
 次は、ブレスト市とナント市を結ぶ運河(ブレスト・ナント運河)をポタリングすることにした。  秋、真っ盛りである。運河沿いに植えられた木々が紅葉に飾られている。  美しい風景である。こんなところに暮らせる人を、ほんとうに羨ましく思う昨今である。