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日付:2011年11月4日
場所: ブレスト市(Brest) フィニステール県 29

訪問地: Brest, Fort du Porzic, Sainte-Anne du Porzic


 フランスの西の果て、ブレストへ

   電車は、午後2時にブレスト市(Brest)に着いた。 パリを朝の9時に出発した。都合、5時間の旅だった。長かった。
 道端に水たまりが残る。天気は今一つだ。 今週から冬時間だ。「秋の日はつるべ落とし」を実感する。午後5時をまわると、もう暗くなる。 天気が悪く、憂鬱な季節の始まりである。

 街の一等地に海洋博物館がある。寄っていきたい気持ちもするが、少し、自転車で走りたい気持ちもある。
 結局、博物館はやめた。
 

  頑丈な海軍の施設  

     ブレストは今も昔も軍港だ。街の西部には、軍事施設が立ち並ぶ。
 戦争時の名残だろうか、とてつもなく頑丈そうな建物が見える。これ、壊すのにも 多額なお金がかかりそうである。恐らく、ドイツ軍が作ったのであろうが、それにしても しっかり作ってある。100年や200年は持ちそうだ。

 この軍事施設を横目で見ながら、海岸線を西に走る。すると、見るからに屈強そうな3 人の若者がジョギングで走っているのが見えた。肩の筋肉、足の太さ、これはすごい。
 すれ違いがてら、この3人と「こんにちは」と挨拶する。返事をしてくれないかなあと思ったが が、元気よく挨拶し返してくれた。心技体、健全なる精神は健全なる肉体に宿る。ガバッテくれ。
 

    トロッコ道の残るハイキング道を進む

 ポルチック灯台は、ブレスト市の西にある。今は、灯台ではなくて、 軍のレーダー基地になっている。昔使っていた灯台の塔が今でも残っている。
 フランス人は、労力を使って今あるものを壊さない。時間が経てば、自然に朽ちるのを待つ。 国民性である。この灯台も自然に倒れるまでそのままにしておく。海岸の至る所に、 頑丈なセメントでできた戦争中の施設が今でも多数並んでいる。決して、壊さない。

 その軍事施設が立ち並ぶ海岸線は、今はハイキング道である。あまりに細すぎて、自転車の進入は 禁止である。今日は金曜日、ハイカーの姿もまばらである。
 それならばと進入禁止の道に入る。案の上、がけっぷち、戦争中のトロッコ道、階段だらけのハイキング道で あったが、結構、スリルがある。面白い。
 そして、ヨットが並ぶ、漁港に着いた。

   落ち葉で埋まる散歩道

     サンタンヌの村から、北に延びる小さな沢を北上する。 昨夜の雨で、道は濡れた落ち葉で埋まっている。この落ち葉の量に驚く。
 すると、こんな人っ子一人いない登山道に、前から老人が一人歩いてきた。どうも散歩しているらしい。
 懸命にペダルをこぐ私に、この老人は、「一人で、走っているのか。大変だ。」と声かけてくれた。  さすがに、落ち葉と坂の急傾斜のために、最後は歩いてこの坂を登った。疲れた。
 

   夜の街へ

     私は夜の街が嫌いだ。夜は、ほとんど出歩かない。ところが、今日は、電車の旅が長かった。 いつもは昼間の走りの疲れが出て、すぐに寝てしまうが、今日は、夜の街に繰り出した。
 街の中心に映画館があった。ここで、「Tintinの冒険」というスピルバーグの映画を やっていた。暇つぶしに中に入る。内容に若干、失望だ。