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日付:2011年10月23日
場所: Loire(ロアール川)、 ロワール・エ・シェール県 41

訪問地: Blois, forêt domaniale de Russy, Mont-Près-Chambord,forêt domaniale de Boulogne, Chambord, Saint-dyé-sur-Loire,


 自転車のブレーキがおかしい

 輪行のため何度もタイヤをハメたり外したりしているせいか、後輪のディスクブレーキが、ブレーキを かけなくても引っかかる引っ掻き音がするようになった。虫めがねでディスクブレーキのはさみ具合を 見てみると、遊びが1mmもないように見える。
 それを調整してハメなおすと、しばらくは良いのであるが、後輪ブレーキを使用してしまうと元に戻って しまう。工具を持ってきていないので、ディスクのはさみ具合を変えることもできない。応急処置として 後輪ブレーキを極力使わないようにするしか、対応は無いようである。

 ホテルを午前9時に出発する。まだまだ、日は低い。森の中は、まだ、夜の余韻が残っている。時折、 ジョギングする人にである。すれ違い際に、大きな声で「おはよう」と声かけると、全員から、「おはよう」 という返答が返ってくる。気分が良い。爽やかである。
   

  雲一つない青空をバックに、シャンボール城が聳え立つ。  

     どこかで、シャンボール城は、フランスで一番の美しいお城になっていたことを思い出す。  まさにそのとおりである。この美しさには、見とれてしまう。秋空に吸い込まれるような白が際だっている。
 「お城は中に入るよりも、外から眺めるもの」と誰かが言っていた。納得である。

 ベンチに座って、シャンボール城を眺め、少し早いが昼食を食べることにした。    

    紅葉、青空、名城

 シャンボール城には、数キロに及ぶ運河が直結している。この運河沿いには小道があり、 そこは、自転車で走ることができる。
 木々の葉が紅葉し、紅葉と紺碧の空、そして古城がバックに映える。なんとも、すばらしい、アングル である。この景色を見て、今回のサイクリングは成功だと感じた。
 

   ロアール川に悠久の時が流れる

     日曜日の午後だ。サンデエ(Saint-dyé-sur-Loire)の村は閑散としている。 住民はどこに行ってしまったのだろう。川沿いの自転車道もひっそりとしている。
 だれもいない。不思議な景色が目の前に広がる。  いつの時代に植えたものだろうか、自転車道沿いに立ち並ぶプラタナスの木々は、ゆうに年輪100年 もの級だ。時が止まったような空間の中を、スピードを出して走ってしまうのが、もったいない気がする。 また、この時間そのものを切り取って、どこかに持っていきたい感覚に襲われる。
「時がゆっくり流れる」とは、だれが最初に言ったかわからないが、なるほどである。  

   ブロア市(Blois)再訪、500年と25年

     ロアール川沿いのブロア市には、昔、来たことがある。2度目の訪問だ。前回は、20何年かまえで、 市内にホテルに泊まった。そして、外で食事した記憶がある。
 ただ、残念なことに、それ以外は何も覚えていない。 頭の中では、何らかの記憶の破片が、深く沈んでいるはずなのだろうが、まったく思いだせない。
 人の記憶とは、こんなものなのだろうか。

 教会の前に、古い家が建っていた。その家の前にパネルがあり、家の由来が書かれていた。何でも、 最近の放射線を使った年代測定で、15世紀終わりに森から切り出した木を使って家が建てられているとのことである。
 すごいものだ。この場所に500年以上も、鎮座しているという。 人間の世代にして約20世代を、この場所で眺め続けたという。 時間の長さに感心するも、500年など、経過してしまえば、あっという間の出来事かもしれない。