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日付:2011年10月14日
場所: Château de Villandry  ロワール川沿いのビランドリー城、 インドル・エ・ロワール県 37

訪問地:  Gare de Tours, Saint Genouph, Savonnières, Villandry, Joué les tours


 午前7時26分は、真っ暗

 秋分の日を過ぎて、めっきり夜明けが遅くなった。午前7時にはオートリッツ駅に着いた。駅のホームから見上げる空は真っ暗だ。 
 午前7時26分の定刻にはツール(Tours)行の列車は出発した。出発とともに空は白みかかってきた。午前8時、東の地平線から真っ赤な太陽が昇ってくるのが、列車の窓から見える。この週末、快晴が続くと天気予報は言っていた。

 ツール(Tours)駅には10時前に着いた。快晴の予報とは違って、見上げる空は重い雲でべったり覆われている。なんということだ。と文句を言いつつ駅前で自転車の組み立てを行う。  

  黒い雲が風に流されて青空が顔を出す  

    一つ勘違いをしていた。ロアール川の名前があまりに有名で、その支流の川については、あまり語られない。ツールの街はロアール川沿いの街と思っていた。ところが、シェール(Cher)川の街の中を流れている。2つの川が流れる街とは知らなかった。
 シェール(Cher)川沿いのサボニエール(Savonnières)という村のパン屋で昼食用のパンを買う。シェール(Cher)川の流れが見える土手に座って昼食である。サボニエールは小さいながら美しい村で夏は水遊びを楽しむ人で込み合うようだ。

 サボニエールから土手沿いの自転車道を通って、ビランドリー城(Villandry)に向かう。立派な自転車道である。ウィークデイのせいか、走る人はいない。
 突然、晴れ間が現れ太陽が顔を出す。ただし、西の空は真っ暗である。なんとも幻想的な一瞬の自然の営みである。その美しさに感動する。
 

   見事な庭を持つランドリー城

 案内書によると庭の幾何学的な美しさが有名なロワールのお城である。
 お城の見学はせずに、庭の見学のみの切符を買う。

 ちょうどお花が満開で、最高のショットである。これぞ典型的なフランス庭園である。
 さぞかし手入れに手間がかかるのではないかと心配する。案の定、午後1時半を過ぎると庭師の集団が出てきて手入れを始めた。
 それにしても美しい庭である。このお城は10月中旬が見ごろのようだ。

   朽ち行く水車小屋の輝き

     午後3時には、空は雲一つなく晴れ渡った。まさに秋の青空である。
 ロワール川沿いには、立派なサイクリング道がある。なんでも上流のオルレアンから河口のナント市まで続いているとのことである。なんともうらやましい自転車文化である。日本と比べ100年は進んでいる。

 そのサイクリング道路に沿って、ビランドリー城からツール市まで、ゆっくりとポタリングだ。風はそよ風だ。川沿いに植えられひと際高くそびえるポプラの黄色く色づいた木の葉が、青空をバックにして光輝いている。
シェール(Cher)川に映る青空も神秘的な青さだ。
 ほんの十年くらい前まで使っていたと思われる水車小屋を見つける。なんと美しい風景だろう。

 こんな日に、こんな素晴らしい景色の中でサイクリングしている自分は、なんと幸せな身分だろうとつくづく思う。