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日付:2011年10月2日
場所: Pacy_sur_Eure パッシー・スル・ユール村、 ユール県 27

訪問地:  Vernon, Blaru, Douains, Ménilles, Pacy-sur-Eure, Boisset-les-Prévanches, Merey, Saint-Chéron, Cravent, Chaufour, Vernon


 10月、夜明けが次第に遅くなる

 ここ数日、好天が続いている。日中の気温は25度をうわまっている。とても10月とは思えないこの頃だ。
 英国遠征後に、体調を崩した。風邪を引いた。もうずいぶん前のことなのに、体調が今一つ正常に戻らない。疲れが抜けない。何でもかんでも、「老化」のせいにするが、気力が衰えていくのは辛い。朝、早く起きて自転車走りにでかけるのが億劫になるのは、自称サイクリストにとっては致命的だ。

 朝、7時前にアパートを出発した。真っ暗である。サンラザール駅に向かう。しだいに明るくなる。
 お彼岸も過ぎた。秋から冬のサイクリングは、「明るさ」に注意しなければだめだ。
   

  この絶好のサイクリング日和を逃がすな  

 ベルノン駅は、印象派画家である「クロード・モネーの家」の最寄駅だ。この駅で電車を降りる大半の客はクロード・モネーの家に向かうバス停に並ぶ。親切なもので、プラットホームの放送まである。フランス人も親切になったものだ。

 ベルノン駅を降りて北に向かうと高低差数十メートルの登りに出くわす。眠っていた足の筋肉には良い刺激だ。
 ここを登りきると突如と視界が開ける。雲一つない快晴の空、朝方の冷えのせいか、露が芝生に残る。それが日差しをはじいて輝いている。吹く風もすがすがしい。「申し訳ないが気持ちが良い」、誰かの歌の歌詞を思いつく。疲れがふっとぶ最高の景色だ。

 夏の名残り

 フランスの日差しは、何故強いのだろう。空気が澄んでいるためだろうか。はたまた白内障が進む自分の目のためだろうか。フランスのパリは北緯49度に位置する。しかも、もう10月である。容赦なく差し込む日差しに、若干、ひるむ。

 誰も通らない田舎道、ペダルをこいでも漕いでも、同じ風景が続く。大陸の秋、ニュースによれば、この日和りも、そうは続かないと言う。あと1か月もたてば、木々は葉を落とし、冬になる。時の過ぎるのは速い。

 昼飯はビールとサンドイッチと洋ナシ4つ

     正午を過ぎると日差しが強烈になった。通りすがりのお店でかった昼食を食べる場所を探す。もちろん木陰を探す。大きな道から離れたところが良い。畑の横に1本の木を見つける。そこに木陰を発見する。こんな暑い日に冷えたビールは最高だ。というか、冷えたビールを飲める幸運に感謝だ。

 昼食を終えて走りだす。今日は、Evreux(エブリュー)の街まで行く予定だった。ところが、道草してばかりなので、前に進まない。いつものことだ。予定を変更して、近隣に広がる村々を走ることにした。

 Merey(ムルイ) 村に着く。この村の真ん中に、セーヌ川支流のユール川(Eure) が流れる。その川のほとりで、大人2名と子供が水浴びをしていた。10月に水浴びである。地元の人たちだろう、小学低学年と思われる子供が大喜びである。
 

 栗拾いに励む

      午後3時には、Vernon(ベルノン)の街の北に広がる森に帰ってきた。ハイキング用に準備されていたベンチに座る。途端に眠くなる。まさに昼寝の時間だ。
 そのベンチに座って、ウトウトする。木陰だが、木漏れ日が強く、暑い。
 目を閉じて静かにしていて気付いた。高いところから落ちてくるドングリの実が、ときおり勢いよく落ちてくる。葉を擦る音、地面に落ちる音、耳を澄ませるといろいろな方向から、この落下音が聞こえる。

 よくよく地面を見ると、クリの実も落ちている。今日の土産にでもするかと思い、少し本格的に探す。探せば、至る所にイガグリが落ちている。イガグリの中には、新鮮な栗の実が顔を出している。
 10分もしないうちに50粒〜60粒の栗を拾う。
 これで栗ごはんを楽しめる。