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日付:2011年5月14日
場所: イゾアール峠(標高2360m): (オート・アルプス県:05)
訪問地: BrianBriançon, Cervière,Col d'Izoard, Le Haus, BrianBriançon


   ハエ3匹とホテルを共有  

 泊まったホテルは1つ星だった。 トイレが共有のあまりきれいとは言い難い部屋で、ハエが3匹いた。 あまりにうるさいので1匹は窓のカーテンのところに追い込み殺処分した。 残り2匹は、動きがすばやく、私の手には負えなかった。
 実は、昨日の雨で靴がビショビショに濡れてしまった。 部屋に暖房が入っていれば、簡単に一晩で乾いてしまうのであるが、今の季節、暖房など入れてくれない。 しょうがないと思い、部屋のランプの上に靴を載せておいたら、数分で温かくなったが、すぐにプラスチックが焦げる臭いがした。 危ない、危ないところであった。
ズボン、靴と濡れた状態でホテルの外に出ていく気もせず、それに疲れ切った体が言うことをきかず、ビスケットとトマトを齧って、夕食とした。

   ユネスコの世界遺産を見下ろして

 一夜明けて、快晴とは言わないまでも、青空が雲間から顔を出す天気になった。 今日は、イタリアとの国境にあるモンジュネーブ峠(標高1860m)を目指して、西に向かう。 ブリアンソン(Briançon)の街から、目的とする国道96号に入れないのである。 幾度も迷う。どうも頭の中で、ユネスコの世界遺産であるボーバン(Bauban)とその北を走る国道96号が混乱していたようだった。 携帯のGPS機能を使って、やっとのこと国道96号に入った。
 快適な道路だった。ただ、山崩れが多いようで、至る所の側壁で、ネットが張ってあった。オートバイがびゅんびゅう轟音を立てて追い越していく。ゆっくりサイクリングを楽しむ道路ではないようだ。

   ぼったくりのリゾート地のレストラン  

 午前11時半に、峠に着いた。 昨日の峠登りの後遺症か、結構、押し登りで何とか辿り着いた。
 そこは、スキーリゾート地だった。なんと、こんな高地というのに、ゴルフ場まである。ちょっと、がっかり。  スキーシーズンも終わり、峠の街であるモンジュネーブル(Montgen`vre)は、ゴーストタウンの様相だった。
 そこにレストランが一軒開いていた。コヒーでも飲もうと思い中に入る。 入るなり店員が、イタリア語かイタリア語訛りのフランス語で、食事をするかと聞いてきた。夕べ、ほとんど食べなかったので、腹も空いていた。 「お願いします」と言う。 サラダ一皿と肉料理を堪能した。全部で30ユーロ。これは高い。まあ観光地と思えば、当たり前か。

   国境警察に呼び止められて  

  せっかくここまで来たので、国境を越えてイタリアまで行ってみようと思った。 しかし、どこに国境線があるのかわからない。 フランス側の国境検問所とイタリア川の同様の検問所跡があるが、道路上には国境線がない。
国境あたりでブラブラしてフランス側の検問所を通過しようとすると警察に呼び止められた。警察は3人だ。 「そこの男性、身分証明書かパスポートを持っているか?」「もっているよ。」と言って、背負っているいるバックを開けて、身分証明書を見せる。 よっぽど暇なようで、写真や住所を、しっかり確認していた。 「どこから来て、どこへ行くのか?」と質問された。「今朝、ブリアンソンの街から自転車で上がってきた。いまからブリアンソンに帰るつもりだ。今夜の夜行列車で帰る。」「日本人か。日本は大変だな。今の時期、日本よりフランスの方が良いだろ。」と笑いながら身分証明書を返してくれた。
モンジュネーブル(Montgen`vre)峠は、雪が舞っていた。5月に雪が降ることに驚く。  

 夢のような景色の中で  

   峠は寒い。薄着は辛い。
すぐに平地に降りてきた。 と言っても、標高1300m程度は、あるようだ。
 Claréeの渓谷をゆっくりポタリングすることにした。 遠く3000メートル級の山々をバックに、新緑が生える美しい谷だ。 ちょうどタンポポが見頃だ。
時間がゆっくり過ぎるのを感じる。
 最後に、帰りの夜行列車出発までの時間があったので、ユネスコ世界遺産のブリアンソンの街を散策した。
この2日間、とても、とても疲れた。
 夜行列車の中では、不思議なくらいよく寝た。