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日付:2011年1月29日
場所: アバロン(ヨーヌ県:89)
訪問地: Cravan, Accolay, Bessy-sur-cure, Arcy-sur-Sure, Nailly, Sermizelles, Avallon


 夜明けの出発

 今回の遠征は、パリから南東に直線で120km離れたアバロン(Avallon)と世界遺産の村であるベズレイ(Vézelay)だ。
 電車の出発は午前8時20分、今の季節のちょうど夜明けだ。
 午前8時には駅に着いた。 ちょっとコヒーでも飲もうと駅のキオスクで店番をしていたお姉さんに「コーヒー一杯ください」と頼んだ。そしたら 「列に並んでください」との短いお言葉が返ってきた。よくよく見たら、他のお客さんが、ちょこんと横に並んでいた。しかし、 つっけんどんな愛嬌のないお姉さんだなあと思いつつ、言葉は、一応、丁寧語で話してくれたので納得。 「大変申し訳ないが、先に並んだお客さんがいるから、こちらに並んで貰えたらありがたい。」と言えないものかなあ。

 霜で、一面が真っ白

 実は、切符はパリからアバロン(Avallon)まで買ってあった。 ところが3時間も電車に乗っているのは退屈なので、途中で降りてアバロン(Avallon)まで、自転車で行けばいいんじゃないか と思いついた。降車駅は、1日の自転車の走行距離を考えてクラバン(Cravan)駅で降りることにした。そしてその考えてを実行に移した。
 ここから走りである。だが、走り出してすぐに気になったのは、この寒さである。厚手の手袋、帽子と準備はしてきたが、 この寒さの中での走りは辛い。一面、霜が降りた運河道を、南に下った。

 分かれ道

   「分かれ道」という言葉は、いろいろなところで使われる。人生は、分かれ道だらけだ。 でも、よくよく考えてみたら、これぞという絵になるリアルな分かれ道は、そうはそうお目にかかれない。 ベッシー・スル・キュル(Bessy-sur-cure)村から東に坂を上っていくところで、その「分かれ道」を見つけた
 この景色、どこか魅かれる。しばらく立ち止まって、我を考えた。  

 ローマ時代の小路にガッカリ

 10万分の1の地図(Auxerre Montargis 128)には、ベッシー・スル・キュル(Bessy-sur-cure)村の東に 「アグリッパのローマの古い小路」(Anc. Voie Romaine Dite d'agrippa)が描かれている。
 名前からして、ちょっとロマンチックな感じだ。それではと、そこを訪ねてみることにした。一路、目指して進む。
 ほどなくして着いた。ところが、そこにあったのは、泥だらけの普通の一本の道だった。 ローマ時代の痕跡は、ほんのちょっとの、申し訳程度の石積みが、道端にあるだけだった。残念。しかし、これには、がっかりだ。
 でも、その近くにすばらし田舎道を発見した。どこまでも続く農道だ。
 サイクリング冥利に尽きるとはこういう道を走ることにある。楽しい。

 絶景を前にしての酔っぱらい

 アルシー・スル・キュル(Arcy-sur-Sure)の辺りは、石灰岩が造る絶景で景色が冴える。洞窟も多い。 ただ、冬の間は閉鎖中で、中に入れない。残念である。
 その近くにレストハウスがり、レストランがある。ちょうど、午後2時を回ったところ。一杯ひっかけた村人の集団が出てきた。 2車線道路の向こうの遠くから、そのうちの酔っぱらいの一人が、 「そんな小さな自転車じゃ、大変だろう」とお節介な言葉を投げかけてきた。「そんなことはない。結構、楽しめるぞ」と 言い返す。言葉が通じなかったのか、「この景色は最高だぞ」と手を振ってこたえてくれた。
 昼間っから、酒飲んで、いいもんだ。