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日付:2011年1月22日
場所: サント・センリ・ル・ジェレイ村 (サルト県:72)
訪問地: Paris, Alençon, Héloup, Saint-Cenéri-le-Gérei, Saint-Léonard-des-Bois, Sougé-le-Ganelon, Fresnay-sur-Sarthe


 アエランソン市で朝市に遭遇

 アランソン(Alençon)の電車駅に11時前に着いた。パリから西に1時間半、直線距離で120Kmを電車で移動した。 ここからは自転車である。天気は、晴れ間は少し見える。ただ、今一つだ。
 土曜日、アランソン(Alençon)の街の中心街には、ちょうど市場が立っていた。 野采が凍ってしまうのではないかと心配するほどの寒さである。
 街中、人混みの中では自転車に乗れないので、引いて歩いた。すると小学生くらいの子供を連れた痩せた男性が、私に声をかけてきた。
少し、警戒しながら、
  「フランス語を話せるか?」
  「あなたの言うことは、理解できるよ。」
  「中国人か?」
  「いや、ちがう。日本人だが、なぜか?」
  「子供が中国語を習っている。話しをしてくれればと思った。」
  「残念ながら中国語は、まったくわからない。」
  「アランソン(Alençon)を訪れるのは初めてか?」
  「初めて来た。」
  「何か、探しているか? 助けてあげようか?」
  「今のところいいよ。」
と、こんな感じ。これって、新手のモノ売りなのだろうか。

 倒壊寸前、フランス人魂、ここにあり。

 アランソン(Alençon)の街外れで、この家を見た。 とたんに笑い出しそうにになった。古い趣のある家である。
 市役所から、「倒壊注意」の警告でも貰ったのであろうか。オーナーが慌てて、修理しようにも壮観規則か何かで、 裸の鉄骨は使えない。それではと、木材で、なんとか継ぎ接ぎしたことがミエミエである。ただ、出来上がってしまえば、 それはそれで、宣伝効果は抜群である。1階のカフェは大はやりである。
 これぞ、まさに、「何とかしのぐ」というフランス人魂だ。

 すごい。これは綺麗な村だ

   サント・センリ・ル・ジェレイ(Saint-Cenéri-le-Gérei)村は、フランスの美しい村500選の一つである。
 このローマ時代の橋が、村の景色のアクセントになっている。高台にある村の教会からは、最高の眺めが楽しめる。
 教会近くには、カフェ、レストランがひしめいている。恐らく、夏のバカンスのシーズンは、観光客でごった返すのだろう。 ただ、冬は、訪れる観光客も少ない。そこが良い。
 教会に隣接するカフェで一服だ。名前は、ジロワーズ・タベルヌ(La Taverne Giroise)という店だ。 店の前で、30才過ぎのオバサンが、寒そうに体を丸くしてタバコを吸っていた。私が店に入るなり、その女性は、私の後をついてきた。 彼女は、店の店員だった。「ビール一杯ください。外は、とても寒いね」と言うと、「自転車は、大変だね」と言いつつ、生ビールを 一杯準備してくれた。
 店の中には、2人の若いサイクリストがおり、彼らもビールを飲んでいた。冷えた体に、冷たいビール。これ、結構、いける。  

 どこまでも続く1本道

 こんな道をサイクリングしたかったのである。実は、こうゆう道を見るとムラムラと力が湧きたつ。
 天気さえ良ければ、ここはもう、天国だ。
 天気よ、晴れろ。

 ホテルのオヤジは憎めない

 午後5時には、フレスネイ(Fresnay-sur-Sarthe)の街に着いた。目的のホテル探しは簡単だった。 ただホテルの扉は鍵がかかってる。中に入られない。扉の横に、夜間用と書かれたブザーがあるが、 何度押しても、反応しない。外はとても寒い。早く、暖かい部屋に入りたいのであるが、入れない。
「何をやっとるんじゃい、このホテルは、」と、怒りをぶちまけても、どうにもならない。
 それではと、フレスネイ(Fresnay-sur-Sarthe)の旧市街とお城を見物して時間つぶしをすることにした。 冬の黄昏は、とても寂しい。街を歩く人の数も疎らだ。午後6時に、再度ホテルの前まで来る。扉は、まだ閉まったままだ。 もしかして、予約日を間違えたのかなあと思いつつ確認するが、宿泊日は1月22日、つまり今日だ。
 結局、ホテル前で待つことにした。
 6時半、その男は、犬を連れて現れた。背が低くて頭が禿げ、小太りの典型的フランス人の様相だった。
 「どこから、来た?」「パリからだ」「パリから自転車で来たのか?」「いや、自転車は、アランソンからだ。20kmくらいだから、 すぐそこだ」と、会話をしているうちに、怒った心は、心穏やかになってしまった。
 なぜか、この男は憎めない。