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日付:2010年10月10日
場所: ジェール山(Pic du Jer: Lourdes) (Hautes-Pyrénées: 65)
訪問地: Lourdes ( Pic du Jer, Les Sanctuaires, Le château Fort )



 脚がちぎれそうに痛い

 天気予報は最悪だ。一日中、雨の予報。とても山どころではない。
 と言っても、昨日の2000メートル級の峠挑戦で、脚は悲鳴を上げている。これではとても山どころではない。階段もろくに降りられない。  しょうがないので、とりあえずホテル(写真、左側の青色の看板)をチェックアウトして、駅に向かう。

 ゴンドラは、強い雨のため遅延

 ルルド(Lourdes)の鉄道駅は高台にある。駅から街を一望すると、まず目に入るのは、ジュール山(Pic du Jer)である。 ジュール山は、ルルド(Lourdes)の街のすぐそばにある山で街の観光名所の一つである。
 雨は降っているものの、駅からジュール山のゴンドラ乗り場が見える。ということは、ジュール山からの展望も期待できるということと決めつけた。
 それではと、自転車で、ジュール山の麓にあるゴンドラ乗場に向かった。
 ゴンドラの運転は9時半からと言うのに動き出さない。こんな朝早くから来ている乗客は、私一人である。待合室で待っていると、 係の人が来て、「フランス語はわかるか?」と尋ねる。「はい」と答えると、「昨日、かなり強い雨が降った。 ゴンドラ路線の安全確認を行うので、少し時間がかかる。遅れて、すまない」と、親切に教えてくれた。
ゴンドラは、午前10時に動き始めた。乗客は、もちろん、私一人である。

 片道切符で、ゆっくり下山

   ゴンドラを片道切符で買った。売り場のお姉さんが「この雨の中を、登山道を降りてくるのか」とびっくりしていた。ゴンドラの待合室で、 で一人待っていると、車掌が、「下山道を知っているか?」と声かけてきた。「いや、初めてだから知らないよ。道しるべはあるのか?」 と尋ねると、しっかり、懇切丁寧に、下山する道順を教えてくれた。
 痛い足も、少し、動かし始めると、痛みは無くなり始めた。遠く、ピレネーの山々は見られないが、ルルド(Lourdes)の街の全貌が眺めることができた。  

 ディズニーランドのシンデレラ城に似ているな

 ルルド(Lourdes)の街に降りてきて、ちょうど正午である。昼飯を食べ終えて街を歩き始める。  砦城(Le château Fort)は、昼休みが午後2時までとのことである。時間をつぶせない。  それではと、巡礼の聖地であるお城に行くことにした。雨のせいか人影はまばらだ。年間500万人が訪れるというが 500万人は、すごい数字だ。
 ところで、この聖地のお城は、どことなく、ディズニーランドのシンデレラ城に似ている。恐らく、かなりの人が、そのような印象を 持つのではなかろうか。

 雨、雨、雨の時間つぶし

 「やることがない。時間をもてあましている。こんな気持ち、何十年振りだろう。12時間、6時間、あてもなくブラブラと歩きまわる。 雨では自転車に乗れない。
 考えてみたら、メチャクチャ贅沢な経験をしているのではないだろうか。時間に追われるのではなくて、時間と一緒にゆっくりと過ごす。そんな感覚だ。
 誰も私が、この場にいて、時間をもてあましていることをしらない。」

 ルルド(lourdes)の街は、ホテルだらけである。どこに行っても、ホテルホテルである。

 夜の聖地は、巡礼者によるローソクパレード  

 夜は、駅前のベトナム料理屋に入った。ここで、春巻きとヤサイ焼きそばを注文する。そしてロゼワインを半瓶飲み干す。 店の主人が、「22時19分の夜行列車に乗るなら、店でゆっくりしていって良いよ。」と親切に声をかけてくれる。 パリでは考えられない親切さだ。
 でも、あの聖地は24時間オープンと書いてあったが、どんなものかと思い、散歩に行くことにした。
 ちょうど、9時からのミサに間に合ったようで、巡礼者がローソクを持って教会のまわりをパレードしていた。夜景として絵になる。

 夜行列車は、時間通りルルド(Lourdes)の駅を出発した。3日間の疲れが、どっと出た。列車が動くとともに、深い眠りに落ちた。