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日付:2010年1月29日
場所:フランス コルシカ島、南コルシカ県(2A)
訪問地:Ajaccio-Campo Dell'ora, Anc. Lazaret, D503, N193, Pisciatello


 空気が抜けた自転車は、ただのお荷物。


 安飛行機のイージージェットは、預け荷物が有料である。預ける際に、係の人が、これはなにかと聞く。自転車と答える。  空気は大丈夫か?大丈夫と答えて預ける。でもアジャシオの空港に着いたら、空気が半分抜けていた。 空気入れを持ってこなかったことを、つくずく後悔。出発の際に、持っていこかどうしよかと迷ったのであるが、結局、これが、今回の旅の大きなポイントになった。

 空気の抜けた、自転車をひいて、自転車屋を探して、空港からアジャシオの街に向かう。距離にして数キロだろうか。 途中、オートバイ修理屋さんを見つけたので、ダメもとで尋ねる。「この自転車に空気を入れてくれないか」。頭の禿げた小柄のおじさんは、アトリエに入って、それらしき空気入れを持ってきてくれた。 「これでやってみろ」と言われてやってみるも、規格があわず、ダメ。だめだと言うと、自転車をアトリエの奥に持っていって、強制的に空気を入れてくれた。でも、あまりに強くいれすぎた ために、中の「虫ゴム」がすっ飛んでしまって、入れても入れても、すぐに空気が抜けてしまうようになってしまった。

 親切なおじさんだったが、状況は前よりも悪くなった。「虫ゴム」がダメになった限りは、もうどうしようもない。しかたなく、トボトボと アジャシオの街とは逆方向にあるホテルに向かって歩き始める。途中、変な木が、道端に立っていたので、良く見てみたら、コルクの木だった。 なるほど、コルクの木とはこういうものか。

 ところが、宿泊するホテルが見つからない。住所があれば、どこでも行けると思っていたが、パリ市内はいざ知らず、田舎では、うまくいかなかった。 自転車をひいてのホテル探し。コルシカとはいえ、今の季節、夕暮れは早い。焦る。どうにも見つからないので、流しのタクシーを探そうと、国道 193号沿いの目立つところで、右手に地図を見せてタクシーを待った。すると、「地獄に仏」、一台のプリウスが私の横に停まる。中には若い夫婦。 「アジャシオの街までなら乗せていってやるよ」との心強い言葉。それではとプリウスに乗る。「アジャシオの街のホテルを探している がわからない」とホテルの住所が書かれた紙をお兄さんに渡す。すると、「これは、アジャシオ市内ではなくて、逆方向だよ」と言いつつ、Uターンして、ホテルの 前まで送ってくれた。この時ばかりは、フランス人の親切さに涙がでるくらい感動した。ありがとう。ほんとうにありがとう。