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年月日:2002年3月10日(日)
走行ルート:<埼玉県飯能市>
(JR新横浜駅からJR東飯能駅まで輪行)〜福徳寺〜阿寺〜顔振峠〜高山不動尊〜吾野(西武線吾野からJR新横浜駅まで輪行)
天気:快晴
開始:7:30
終了:14:20
走行距離:約30Km
コメント:  昨日、チェーンの絡まりほどきに再挑戦。1週間考えた結果、どうも鎖が180度ねじれたのが原因ではなかろうかと推測した。案の定、力ずくで180度ひねりなおすと元通りに直った。担いだだけでこんなことが起きてしまうとは、不思議だ。ついでの整備として、チェーンのひとつひとつの鎖に、シリコンを念入りに吹きかける。これで、チェーンのキュルキュルという軋み音が消えて、相当走りやすくなったと思う。

 早朝4時50分にアパートを出る。まだまだ真っ暗な夜空に星がまばたいている。快晴、無風。今日は絶好のサイクリング日和だ。


銭がない時はラーメン(飯能市横手)

 昨夜は11時頃に布団に入った。ところが布団に入ってすぐに跳び起きた。財布に千円札が1枚しかないのである。これではどこにも行けない!女房を叩き起すわけにもいかず、かと言ってこの時間に開いている銀行などない。これは困った。それではと机の中や鞄の中を探し回り小銭をかき集める。硬貨ばかりだが、なんとか全部で3千円ほどを見つける。今日一日はこれで何とかなりそうだ。

 朝飯は、6時頃に電車の中で食べた。少し走るが、なぜか腹が減って減ってしょうがない。ちょっと早いと思ったが、満開の梅が咲き乱れる畑を見つけたので、午前9時半ながら、お湯を沸かしてラーメンを食べる。今日は、予算が限られていることから、ひもじいラーメンおじさんだ。とホホ。

おじさん得意の地面臥し(飯能市阿寺)

 埼玉県西部にある奥武蔵グリーンロードを走るのが今日の目的だ。全部を走りきるには、体力的に無理があるので、ゆっくりと、登り坂は歩き押しを覚悟して、まずは標高600メートル程度の顔振峠を目指す。10時を過ぎると晴天のせいか、とたんに暑くなりだした。3月、4月頃は、天気さえ良ければもう初夏の様相だ。

 峠にはまだ遠いが、阿寺という集落で一休みする。途中の登り坂で格闘したことから、汗ダクダクになり、着ていたウインドブレーカとセーターを脱ぐ。ここからがとっておきの私の楽しみで、恐らく、日本では私だけしかやらないことだろう。それは、アスファルトの上に直に寝ることである。これが気持ちがよい。ほんとうに気持ちがよいのである。地面の冷たさが、なんとも言えない。そして、なぜか落ち着くのである。

顔振峠と満開の梅林(埼玉県越生町)

 顔振峠は、ハイカーとドライブ客であふれていた。天気がよいこと、そして近くにある梅林で満開の梅の花を楽しめることからだろう。顔振峠からは、絶好の景色が眺められる。ただ、大気の具合は冬のそれではなく明らかに春のものになっており、遠くが見えない。これが、山水画の様相を醸し出していることから、それなりに面白い。しばらく、眺めさせてもらう。

 峠には2軒の茶屋があり、熾烈な客引き合戦をしている。道路の隅っこで地図を眺めていたら、見るからにずうずうしそうなおばさんが寄ってきて「ゆっくりしていってください」と言う。これは興醒めだ。どうして、この峠はこんなに観光地化してしまっているのだろう

大イチョウ(飯能市高山不動尊)

 顔振峠をあとにして、次は高山不動尊を訪ねる。由緒ある古刹らしく、それなりに本堂は立派だが、なんと言ってもここの売りは、境内にそびえ立つ樹齢800年の大イチョウだろう。見上げた時に迫りくる迫力は、それはそれはすごい。境内は静まりかえり、午後の昼下がりの日差しが気持ち良く、まるで時間が止まっているのではと錯覚を覚える。800年の間に、いったい何人の人が、私と同じような感覚を味わったのであろうか。

 財布の中身を心配しての、ひもじいサイクリングであったが、天気は最高のサイクリング日和だった。家に帰って財布の中を見たら、数百円程度の硬貨が、ちょこんと小銭入れに入っていた。これが今の全財産だ。