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年月日:2002年2月24日(日)
走行ルート:<千葉県安房郡白浜町>
(横浜駅からJR久里浜駅、東京湾フェリー、JR浜金谷、JR館山まで輪行)〜国道410号〜出野尾〜西長田〜県道館山・長尾線〜神余野〜白浜町本郷〜砂取〜根本〜相浜〜国道410号〜館山〜館山(浜金谷、東京湾フェリーを経て輪行で横浜駅まで)
天気:くもり
開始:8:15
終了:13:45
走行距離:約30Km
コメント: 先週の日曜日は、子供がインフルエンザで倒れてしまいサイクリングを自粛した。したがって2週間ぶりの走りだ。午前3時50分に起床、そしてお湯を沸かしてポットに入れる。全てをリュックに詰めて、午前4時10分にはアパートを出る。このパターンがサイクリングに出かける朝の日課になってしまった。

 冬の早起きは辛い。アパートを開けると、都会の明かりに照らし出された雲が、空をびっしりと覆っている。今日も天気予報はハズレ。2週間前も今朝と同じように北風が吹く寒い朝だった。


田植えの準備完了
館山市佐野

 JR館山駅から海岸沿いの白浜町までの約15Kmを休憩なしで走る計画だったが、道路沿いから落ち着いた家並みが見えたので、急遽予定を変更してそちらに向かう。そして腰を落として風景に見入る。いつもながらの私のサイクリングだ。

 ゆっくりコーヒーでも飲みながら田園風景と家並みを眺めるつもりだったが、雲が空一面を覆っているせいか肌寒い。おまけにインスタントコーヒーをリュックの中に補充してなかったのでお茶しか飲むものがない。熱いコーヒーが飲みたかったのに、これは残念だ。まだまだ冬の盛りの二月というのに、農家の人達は、春の田植えの準備に忙しい。八月の末に稲刈りをしていたから、逆算すると四月には田植えを始めるはずだ。一ヶ月後は、どのように変わっているのだろうかと想像しながら、目の前に広がる田園風景を眺めるのも楽しい。

砂岩のみごとな露頭(白浜町本郷)

 大学で地質学を学び、その後それでしばらく飯を食っていたことがある。そのせいか、道路沿いに露出する地層には、ついつい目がいってしまう。これは職業病で、今の歳では、もうどうにもならない。房総半島先端の白浜町付近には、今から約500万年前に堆積した三浦層群という名前のついた地層が分布しており、きりとおしの崖では、灰白色の美しい砂岩の地層が見られる。この三浦層群は、東京湾フェリーが着く金谷の町の鋸山にも見られるが、白浜町に分布する地層は、鋸山のそれと比べると、砂岩の粒径が均質かつ細粒だ。

 白浜町本郷にある下立松原神社の境内の下には、約50mにわたって、みごとな砂岩露頭が見られる。これをじっくり観察させてもらった。学生時代、地質図作成のため、色鉛筆と地形図、ハンマーとクリノメーター(地層の傾斜を計る磁石)を持って、露頭という露頭を観察して歩き廻った辛い野外実習を思い出した。

下立松原神社の力石
白浜町本郷

 下立松原神社を訪れた時には、参拝者は私ひとりであった。境内は水を打ったように静かで、その広い境内の片隅に4つの力石を見つける。その1つには、はっきりと「天保三年」に42才の人の名前が刻まれているのがわかる。重さは36貫目。家に帰ってきてから換算してみたら135Kg。米俵2つぶん。まあよく持ち上げたものだ。

 祠の中には、昭和35年4月に奉納した「南氷洋出漁記念」の額(なんと呼ぶのかわからない)が飾ってあり、その中に鯨のひげと解体用の大型の包丁が奉納してある。私が小学生の頃、学校給食では鯨肉ばかり食べていたような記憶がある。昭和30年代には、この村からも多くの人が南氷洋までいったことだろう。落ち着いた神社で、もう一度参拝に訪れたいところだ。

お世話になっているセブンイレブン
富津市金谷

 東京湾フェリーからJR金谷駅までは、歩いて10分くらいだが、輪行袋を担いでの10分は結構辛い。このセブンイレブンは、その道沿いの途中にあり、一服休憩をする場所でもある。野外で食べるための昼食、そしてビールと御つまみ、これは帰りの東京湾フェリーの中で飲むものだが、それらは、だいたいここで買う。ビール一杯のために走っていると言ってもいいような感じなので、このお店は、それはそれは貴重なお店だ。

 午後2時に、空は晴れ渡った。走りを終えた途端に天気が良くなるとは。トホホ。