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年月日:2002年1月13日(日)
走行ルート:<千葉県館山市>
(横浜駅からJR久里浜駅、東京湾フェリー、JR浜金谷、JR那古船形まで輪行)〜那古寺〜那古海岸〜館山県立博物館〜館山市立博物館〜十二社神社〜JR館山(浜金谷、東京湾フェリーを経て輪行で横浜駅まで)
天気:薄く曇り〜曇り
開始:8:30
終了:14:00
走行距離:約30Km
コメント: 昨夜寝る前に、目覚ましを午前3時50分にセットしようと試みたが、なんとなんと、目覚まし時計が壊れてしまった。ヨドバシカメラで、大安売りの時に980円で買った電波時計だったが、安物はやっぱりダメだ。でもなぜか、サイクリングの朝は目覚ましなどなくても、定刻きっかりに目が覚めるとは我ながら驚きだ。天気予報は、午後から曇るという。今日は、久し振りに房総を走るぞ。


懐古調の匂いが漂う那古船形駅

 久里浜駅には6時前に到着した。しかし、そこで乗る予定の久里浜港行きのバスにタッチの差で間に合わず、暗いバス停で15分間待たされる。せっかく、早起きしたのに、これでは何の意味もない。トホホだ。6時20分発の浜金谷行きフェリーは、これから房総へゴルフに行く人たちで足の踏み場もないほどの混みよう。これにはビックリ。皆が皆、遠足前夜の子供のように楽しそうに談笑している。

 今日の出発地点となる那古船形駅は、写真のごとく懐古調の木造駅だった。これがいいんだよね、これが。那古船形駅に降りたのは、オバサン1人と私で計2人。そのオバサンが、当方の輪行袋を見て、自分の娘婿も自転車が好きで、ツールド沖縄に出場するほどの懲りようだと話かけてきた。朝から、地元の方と話ができるとは、今日はラッキーだ。

鬱蒼と巨樹が立ち並ぶ森
(館山市那古寺の裏山)

 館山市にある那古寺は、立派なお寺で、迫力ある本堂のみならず、銅造千手観音立像など県や市が指定する文化財が境内に多数ある。おまけに、それらを格子越しながら、実際に見ることができるようになっているところがすごい。このお寺の見所は、私は、お寺の裏に広がる鬱蒼とした森だと思う。スダシイ、ヤブツバキ、モチノキなど、いずれもかなりの年代ものの木々が、熱帯のジャングルの如く広がっている。ここは、巨樹ファン必見だ。ゆっくり、ゆっくりと、時間をかけて、この森の中を散策した。

おっと、典型的衝動買い。

 久し振りの博物館訪問だ。地方の、特にその地域独特の民俗に関することを知るには、公的な機関の博物館を訪問するのが一番と考えている。というような優等生的な前書きを書いたが、実のところは、少し疲れを感じた時に、偶然に博物館の案内掲示盤を見つけたから入っただけであった。しかも、無料だとういう。それなら休憩がてらにと中を覗いてみた。

 小さな博物館で、順路に沿って歩くだけなら100m程度のこじんまりとしたものだった。館内には数人程度の見物客がいた。三連休の、しかも日曜日で、このありさまではと思ったが、昔の漁具など多数展示されており、まあ子供の教育にはもってこいの展示だなと感じた。帰りしな、「房総の城下町」という案内書を1,500円で衝動買いした。よくよく考えてみたら、200頁程度の案内書で、ずいぶん高い本だと後で気づいた。これも今日のトホホだ。

ガードレールも送電線もない風景
館山市岡沼

 城山公園の市立博物館を見学した後に、「沼のビャクダン」という樹齢800年の巨樹を見に岡沼集落に向かう。途中、自分を取り巻く風景に違和感を感じてストップする。じっくりと目の前の風景を観察してみると、送電線や電柱などの人工構造物が、まったく何もない田園風景を目の前にしていた。このような日本の原風景に接することができるような場所は、全国でも珍しいのではないだろうか。

 目の前の谷に、一本の砂利道が吸い込まれるように伸びていた。いったい、この谷の奥には、どんな世界が広がっているのだろうかという考えに耽りながら、その道を先に進んだ。