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年月日:2002年1月5日(土)
走行ルート:<神奈川県横須賀市>
(輪行で横浜から京急掘ノ内まで)〜曹源寺〜衣笠山公園〜東善寺〜長井海岸〜熊野神社〜延寿寺〜京急三崎口駅〜(輪行で横浜駅まで)
天気:晴れ後、にわか雨
開始:7:00
終了:13:40
走行距離:約40Km
コメント: 妻と娘が正月で実家に帰っていることから、気ままな一人の生活である。普段ならば、まだ寝ている2人に気をきかして、静かに出発の準備をするが、今日はお構いなしでサッサと行う。すべての準備を終え、朝5時に家を出る。アパートの前のケヤキの枝が、風で大きく揺れているのに驚く。風の強い寒い一日になりそうだ。ただし、幸運にも星空であることから天気は良い。


自転車の担ぎ下りは楽々
(横須賀市衣笠山)

 出発地点の京急掘ノ内駅には午前6時40分に着いた。外は、まだまだ薄暗く、あまりにも早く着いてしまったようだ。時間つぶしに、駅前のベンチに座っで暖かい缶コーヒーを飲んでいたら、発車待ちの京急バスの運転手がやって来て、「どこから来た。どこに行くか。寒いのに大変だね。」と話かけてきた。しばらく話をする。

 衣笠山は、標高134mの低山で、山の一部が公園になっている。何でもサクラの名所らしく、「サクラの名所100選」に選ばれたと書かれた超大型の看板が、自慢するがごとく公園入り口に掲げられていた。この衣笠山から衣笠城跡を経由して大楠山までのハイキングコースがあるとの案内板を発見する。それではと衣笠城跡まで担ぎでいくこととする。ハイカーの少ない冬は、自転車を担いでハイキングコースを歩いても何ら問題はないようだ。約1Kmの道程、ハイカーには誰とも会わなかった。どうしてだろう。

萱葺き民家を発見
(横須賀市長井)

 海岸沿いの道に出ると風がさらに強くなった。風が埃を舞い上げるようで目がガサガサするし、さらに風にハンドルをとられ、ユラユラ揺られながらの走行だ。これは結構危ない。どうも今日は、ルート選択を誤ったようだ。

 自動車に細心の注意を払い、できるだけ細道を走行していたら、萱葺きの民家を見つけた。この民家のオーナーは、ごく普通の生活をここで行っているようで、家の周りに置かれた物干し台などが家と良く調和している。こんな家で、テレビも携帯電話もパソコンも何もない生活をしたら、さぞかし、エキゾチックな日々を送ることができるであろう。この民家を見ながら定年後の生活について考えた。

強風荒れ狂う相模湾
(横須賀市長井)

 風が強く、それに寒い。もうこれでは、とても海岸沿いを走るのは無理だと観念して、さらに先の荒崎海岸に行くのは止めにした。今度の機会だ。

 北の方の空に黒い雲が現われたかと思うと、すぐに太陽を覆ってしまい、周りは一転して寒々しい風景になった。コンビニで買った「カツどん」を食べようと風のない場所を探すが、それが見つからない。やっとのことで、家の陰に場所を見つけて食べ始めるが、風が巻き上げた砂がカツどんの上にドサっと降りかかってしまい、ジャリジャリ弁当になってしまった。こんなところで、サイクリングしている自分が惨めに思えたが、これも良い経験だと割りきった。風の強い日は、食堂に入って飯を食うべきだという教訓を身を持って学んだ。

大根の風干し
(三浦市黒崎)

 昼食後に、海岸沿いの道を離れる。ところが少し陸側に入ると風が嘘のようになくなってしまう。どういうこっちゃいったいこれは。風の代わりに、今度は、ミゾレ混じりの雨がパラパラと降り出した。黒い雲が、空の大部分を覆ってしまっていることから、「一発、やられるな」と予感がしたが、その時はその時で雨宿りしようと決めて、三浦七福神のひとつである延寿寺に向かう。

 途中、フェンスの針金に干された大根を見つけた。沢庵つくりのためだろうが冬の風物を感じる。この干し大根に近づくと、干し大根独特の匂いがして、昔、家の近くで干されていた大根を思い出した。三浦半島では、そこらじゅうに大根畑があるが、あまり干し大根作りの風景に出会えないのはなぜだろう。