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年月日:2001年12月23日(日)
走行ルート:<千葉県鴨川市大山>
(輪行で横浜から久里浜まで)〜東京湾フェリー〜保田〜横根峠〜金束本郷〜大山不動尊〜大山千枚田〜寺門〜(往路を帰る)
天気:快晴
開始:7:30
終了:14:00
走行距離:約60Km
コメント: 昨日、自転車が整備されて帰ってきた。先週までの重い走りが嘘のように軽快に走る。まるで、違う自転車に乗っているようで、時に、ハンドルのコントロールに戸惑うこともある。特に、グリスアップを、念入りにお願いしたことから、転がりがずいぶんよくなった。さすがプロの技だ。ただ、整備費が1万6千円とは、すこし高い。

 冬の午前5時。ライトを灯しての自宅から横浜駅までの3Kmの移動は辛い。手袋の効果の甲斐なく、指先がジーンとしびれる。寒い朝だ。


浦賀水道の蜃気楼
(鋸南町保田)

 浜谷から保田海岸に入って小休憩。浦賀水道の向こう側に、三浦半島の街並み、伊豆半島の山々、冠雪した富士山の姿が見える。今朝は、三浦半島の建物の窓の輪郭まで見えるほど空気が澄んでいる。目を凝らして、水平線あたりを見ると、風景が浮き上がって見える。久し振りに見る蜃気楼だ。

 蜃気楼は、風の無い穏やかな快晴の朝、日の出から30分〜1時間くらい経過した後に出現する。アフリカのサハラ砂漠を放浪していた頃、頻繁に蜃気楼を見た。遊牧民(トアレグ族)が、蜃気楼のことを響きの良い言葉で呼んでいたのだが、その言葉を思い出せない。以前、トヨタの車名コンクールに応募しようと、必死で、この単語を思い出そうと試みたが、結局、どうしてもダメだった。メモしなかったことが悔やまれるが、蜃気楼を見るたびに、そのことを考える。

茅葺き民家
(鴨川市金束本郷)

 以前に、鴨川市の金束本郷の集落を訪れた時に、魅力的な茅葺き家屋を1軒見つけて写真を撮った。今回、再度、集落内を念入りに歩いてみると、ここにもあそこにもと、新しく5軒の茅葺き家屋を見つけた。

 その中の一軒が写真の家屋である。オーナーの方(女性)に「写真を撮らせてください」とお願いしたところ、いろいろと話をきかせてくれた。「こんなボロ家を、写真に撮ってどうするの」と、私の興味に不思議がった。このおばさんの話を聞いて、私の生まれた集落のことを思い出した。今から40年前、私が住んでいた集落にも多くの茅葺き家屋があったが、茅葺き家屋に住んでいることを恥ずかしいと語っていた人もいたような気がする。時代時代によって、価値観は変わるものだ。

大山千枚田で昼寝
(鴨川市釜沼)

 大山不動尊をじっくり見物した後は、近くにある大山の千枚田に向う。夏頃に、東京湾フェリーの中で、この大山の千枚田を紹介するポスターを見たことがあり、それではそのうちに訪れようと考えていた。刈り取りも終わった水田は、水は張ってあるものの季節外れらしく観光客はほとんどいない。 紺碧色の空、遠くの山々のくすんだ緑、枯れた土色の雑草や藁のコントラストは、冬そのものだ。

 ちょうど昼時になったので、棚田が一望できる最高の場所を陣取って、今朝、ここに来る通り道のコンビで買ったキムチ鍋料理を料理する。風のもない穏やかな日和で、食べ終えると満腹感から眠くなった。ゴロっと横になって耳を澄ます。ずーと遠くのほうで、チェーンソーで木を切る音がするが、それ意外は、まったく何も聞こえない。ほんとうに静かなところだ。30分程、ボケーとウトウトしていた。

帰りの東京湾フェリー


 「そんなに一所懸命、どうして、日曜日毎にサイクリングに出かけるの?」とよく聞かれる。「さあ、自分でもよくわかりません。」と、適当に煙に巻くのが大体の答えだ。真面目に理屈をつけて、答えようと思えば答えられるだろうが、所詮、楽しいからやっているだけであって、そうでなくなったら、とっとと止めるつもりだ。その楽しみの一つは、帰りの途中で飲むビール。

 12月下旬というのに、東京湾フェリーの船上は、無風状態で寒さを感じない。買ってきた500mlのビールとサキイカのおつまみで海を見ながら、一服。これが最高に良い。今日は、結構な距離を走ったので、心地良い疲労感もある。私にとって、サイクリングの楽しみはこれだ。ほんとうに、これに尽きる。