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年月日:2001年12月2日(日)
走行ルート:<千葉県富津市>
(輪行で京急久里浜駅)〜東京湾フェリー〜金谷港〜上総湊〜志駒渓谷〜横根峠〜保田〜金谷港〜東京湾フェリー(輪行で横浜市の自宅へ)
天気:快晴
開始:8:00
終了:13:40
走行距離:約50Km
コメント: 昨日(土曜)は、どこにも行かず家でゴロゴロしていた。午後には、妻は買い物、子供は友達と遊びに出かけてしまい、家に、一人残された。房総の五万分の一地形図を出して、以前買った「千葉の自然をたずねて」(築地書館)を参照しながら、今まで、訪ねた所の地質をあれこれと復習してみる。なるほど、と考えさせられることが山ほど。日が暮れて本が読めなくなるまで、あれこれと考えた。

 今日は、久し振りに房総だ。4時半起床、5時出発。外は、真っ暗だ。満月に薄っすらとモヤがかかっているが絶好のサイクリング日和を予感。


ドッグダイヤで、待ちぼうけ
(東京湾フェリー、久里浜港)

 久里浜に向う電車の中で、「ドッグダイヤ」に気づいた。今の季節は、普段の3便体制ではなく2便のみで、東京湾フェリーは営業しているという。30分程、待合室で待たされる。同じフェリーに、ロードに乗った50歳位のサイクリストが一人いた。この方と金谷港に着くまで、ソファーに座って、ずっと話をして時間を過ごした。なんでも、1日に150kmは、楽々、走るとのこと。さらに、これに加えて、家ではローラ台で練習して足を鍛えているとはすごい。

 当方とは、まったく、走りの種類が違うようだが、それはそれでよい。朝から、元気な「おじさんサイクリスト」に出会った。8時に金谷港に上陸。そこから北上し、上総湊(かずさみなと)を経由して志駒渓谷に向う。

この人ごみには、ビックリ
(富津市、田原)

 志駒渓谷に向う道沿いに、「日本百銘水、不動様の湧き水」の看板を見つける。「面白そうだ」と思い、道を外れて直行。到着して驚いた。何人もの人が、何十本もの大型ペットボトルを持って行列している。自動車で乗りつけ、トランク一杯に水を積んで帰っていくようだ。「ちょっと、コップに一杯だけ、よろしいですか」と言い出せる雰囲気ではなく、しぶしぶ、「銘水」を一滴も飲むことなく帰る。しかし、あんな多量の水を持って帰って、何に使うのだろう。

 美味しい飲み水は、花崗岩からの沁みだし水とばかり考えていたが、ここは、普通の砂岩からの湧水だ。

今が盛りで、天気も良し。
(志駒渓谷)

 さすがに房総は南国だ。紅葉の見頃が12月上旬とはすごい。サイクリングをしていると、スダシイなどの常緑照葉樹は、よく目にするが、落葉樹はあまり見かけない。しかし、山腹を彩るモミジ、ケヤキ、アラカシなどの紅葉を見ると、なるほど、結構、落葉樹も生えているものだなと感心する。

 栃木県の日光をイメージして、紅葉を見に千葉県の志駒渓谷に訪れても落胆するだけだろう。しかし、地味ながらも、志駒川の川岸に生えるモミジは美しい。天気も最高で、太陽の光を通して見るモミジの葉の赤がなんともすごい。あまりの美しさに見惚れとしまい、川を渡る際に、石を踏み外して靴をビショビショにしてしまった。なんということか!

小春日和の海岸
(鋸南町・保田海岸)

 紅葉を満喫した後に、東京湾フェリーの出発港である金谷に向う。途中、保田海岸を通る。夏には、むせ返るほどの人でごった返していた海岸には誰もいない。風もない穏やかな日だ。志駒川に落ちて濡れた靴・靴下は、いつのまにか乾いた。海岸沿いの堤防で、ゴロっと横になって休憩。波が、今にも、降りかかってくるような錯覚を覚えるほど波の音が身近に聞こえる。

 14時35分のフェリーに乗る。今朝のフェリーで出会った元気のよいおじさんが言っていたことを思い出す。「帰りのフェリーの中では、心地良い疲れの中で、一日の走りの充実感を実感する。短い時間だが、そのひとときが大好きです。」
まったく同感だ。(終)